東日本大震災で傷ついた人々の心を癒やしたいと、福岡市のボランティア団体「こども夢

基金アートプロジェクト」が、福島県内の避難所を巡回する「小さな音楽会」を企画、募

金協力を呼び掛けている。９、１５、１６日に、日本フィルハーモニー交響楽団の演奏家

を派遣して、音楽の力で被災者を励ます予定だ。

同団体の事務局を務める彫刻家鎌田恵務（けいむ）さん（４９）＝福岡市東区＝に、知人

の小説家志賀泉さん（川崎市）から支援の依頼が入った。志賀さんは、福島第１原発から

２０キロ圏内の南相馬市小高区の出身。実家の両親は無事だったものの、郷里の人々が厳

しい避難生活を強いられていることから「とにかく支援が必要。どうかお力をお貸しくだ

さい」と連絡が届いた。

福岡市こども総合相談センターに一時保護された子どもたちのためにアートプロジェクト

に取り組む鎌田さんは、実績を生かした支援策を検討。過去に同プロジェクトで演奏会を

開いてくれた日本フィルのチェリスト江原望さんが協力を申し出たことから、志賀さんと

２人を派遣する「小さな音楽会」を計画した。

派遣受け入れは、福島県いわき市で被災者の心のケアチームを率いる「さわ病院」（大阪

府豊中市）の医師緑川大介さん（３２）が担当。緑川さんは「地震、津波、原発事故、そ

の後の風評被害で被災者は身も心も疲れ果てている。先の見えない不安の中で、九州から

の音楽の励ましは力になる」と話す。

同プロジェクトは可能な限り音楽会での支援を続けたい意向で、募金協力の輪が広がること

を願っている。

募金振込口座は「ゆうちょ　１７４３０－６０８３７２３１」　

こども夢基金アートプロジェクト